2012年3月13日火曜日

引き算と足し算

先日、中小企業IT経営力大賞授賞式に出席してきました。

ITを活用した大変ユニークな企業がございましたのでご紹介いたします。

株式会社 小林製作所様です。

どこがユニークかと申しますと、会社中にWEBカメラが90台も設置されているんだそうです。

単純に自分が従業員だったらいつでも監視されてるようで嫌だなーと思いがちですが、ここの会社は大変有効に活用されていらっしゃいます。

ご紹介させていただくこの会社は、ほとんどの製品が少量生産、もしくは1点ものの商品を制作していらっしゃいます。

もちろん、職人さんがほぼハンドメイドで作っています。

その生産過程をWEBカメラで撮影し、保存しておくのだそうです。

これは、製作過程を記録される従業員(職人さん)側にも大きなメリットをもたらします。


  1. 製造工程を記録することで、後で同じ注文が来た時にも対応出来る。
  2. 初めてその製品を制作する職人さんもすぐ同じものが作れる。
  3. 使用するジグがどこにあるかすぐわかる。
  4. 後で製作過程を検証し、無駄を省くことが出来る。

WEBカメラというとどうしても監視されていると思いがちですが、従業員から見てもメリットが大きいのですね。

この映像というデータをナレッジすることで、初めて引き算が出来るようになります。
製造過程で不要な物を検討し、どんどん引き算していくのです。

そうやって引き算された物は、時間とか材料費とかになるわけですが、これはもちろん従業員にお金(給与)という形で反映されます。

正に引き算のエンパワーメントに成功しているわけですね。

従来、人に頼っていた事をITにやらせて、人は人がやらなくてはいけない仕事に注力出来るわけです。


やはり、IT化を推し進めるには人が最初で、後からIT化しないと徒労に終わってしまうでしょう。

効率化(引き算)によって足し算(給与)が出来る事を、まずみんなで共有していくことがIT化のキーになると思います。

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